有限会社 表迫不動産

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不動産を抑える、予約する ~契約と手付金~

   

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んじゃ、これ抑えといて!!!

アパートや借家を内見されたお客様が帰り際に、

「んじゃ、これ借りようと思うので、抑えといてもらっていいですか?」

といったニュアンスのことをおっしゃることがあります。

そんな時には決まって、
「契約されるか、手付けを打たないと抑えておくことはできないんです。」
と、説明させていただいています。

これ、
不動産屋が儲けたいって気持ちで、早急に契約を確定させたいから
言っている言葉ではないんです。

これって、

売主も買主も、貸主(大家)も借主(入居者)も、
お客様が不利益を被らないためにある仕組み
なんです。

「契約」
は、書面で売買や賃貸借の約束を交わすことですよね。
当然、契約をしてしまえば、
予約や抑える、といったことは必要なくなります。

では、
「手付けを打つ」
とは。。。。?

「手付けを打つ」 = 「手付金を払う」

ということなのですが、
今回はこれについてもう少し詳しくお話しさせていただきます。

手付金って予約金でしょ?

前述の通り説明すると、

「手付け金って予約金でしょ?」

と返されることもあります。

そのような意味合いもあるんですが、
手付金はただの予約金じゃないんです。

とても大切なことをまず述べますと、

手付金を払っても、必ず契約できるわけではない

のです。

じゃあ、
手付金払う意味ないじゃないか!!!

って思いますよね(^^;
ですが、意味はちゃんとあります。

まず、ここまで手付金と言っているのは、
正確には解約手付(かいやくてつけ)のことです。

解約手付は、
支払った人も、受け取った人も、
約束をちゃんと守ってもらうために、
一定のルールで
相手に対して縛りを効かせることができるお金
です。

ここから先は、
この「解約手付」を
単純に、「手付金」と呼び、
賃貸の場合を例に説明を進めます。

ちょっと前のドラマのセリフみたいですが。。。

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では、どんな風に相手に対して縛りを効かせるのか?

まず、解約手付を
支払った人(入居者)と、
受け取った人(大家)とで、
約束を守らなかった場合のペナルティが異なります。

具体的には、

手付金を払った人(入居者)が、約束を守らないとき(契約を解除したとき)は、手付金は返ってこない

手付金を受け取った人(大家)が、約束を守らないとき(契約を解除したとき)は、手付金の倍額を返さなくてはいけない

ということです。

この、受け取った側の人が手付金の倍額を返すルールのことを、
私たちは
「手付け倍返し」
と呼んでいます。

まるであのドラマのようですね(笑)

手付金の額は? ~具体的なケースで~

わかりやすいように、
先ほどのお話を、
具体的なケースに置き換えて話してみます。

たとえば、
あなたは今、アパートを探していて、
不動産屋を訪れ、
気に入った物件に巡り会えたとします。

すぐに契約して、他の人に取られないようにしたい!
家賃は5万円!
契約には20万円が必要だ!

でも。。。。
手元には10万円しかなかったとします。

そんな時に支払って、
一時的に物件を抑えておくのが手付金です。

そこで、あなたは考えます。

「さて、いくら手付金を支払おうか?」

ケース1:「5千円にしとこう!」と考えた場合
あなたは考えました。
「とりあえずこの物件をキープできればいいわけだし、
明日は飲み会だから現金は残しておきたいし。。。
よし!5千円だけ手付けを入れて、残りは契約の時に支払えばいいよね!」 と。

そう判断し、
5千円の手付金を支払って、
契約と残額の支払はまた10日後にすることにして、
あなたは帰ったとします。

次回、あなたが契約手続きに訪れるまでの10日間のうちに、
他の誰かが、大家さんに対してアプローチしました。

「家賃を2千円アップしてもいいから、
その物件に入居させてよ」 と。

家賃が2千円上がると、年間で家賃は2.4万円上がりますので、
大家さんはあなたに手付けを倍返しして、
後からアプローチしてきた人にアパートを貸すことにしました。

大家さんからすると、
あなたに手付け倍返しの1万円(大家さんの手出しは5千円)を支払っても、
年間で家賃が2.4万円上がるので、
結局プラス、
と判断されたわけです。

あなたは1万円を受け取り、アパートを借りることはできなくなりました。

ケース2:「10万円にしとこう!」と考えた場合
あなたは考えました。
「手元には10万円か、全部使ってしまうとやばいかな?
でも、必ず契約するわけだし、この10万円は結局支払うことになる20万円のうちの一部だし。
よし!大家さんに本気で契約する気だって思ってもらうためにも、10万円手付けを入れよう!」 と。

そう判断し、
10万円の手付金を支払って、
契約と残額の支払はまた10日後にすることにして、
あなたは帰ったとします。

ケース1と同様に、
他の誰かが、大家さんに対してアプローチしました。

「家賃を2千円アップしてもいいから、
その物件に入居させてよ」 と。

家賃が2千円上がると、年間で家賃は2.4万円上がります。

しかし、あなたとの約束を守らないと、
大家さんはあなたに20万円(大家さんの手出しは10万円)の手付け倍返しをしなくてはなりません。

大家さんは後からアプローチしてきた人は断り、
約束通り、あなたにアパートを貸すことにしました。

10日後、あなたは無事契約を済ませ、残額を支払い、
アパートを借りることができました。

手付金は額は、約束の強さ

先のケース1、ケース2で見ていただいた通り、
手付金の額がそのまま、
相手に約束を守ってもらえる可能性に反映されますし、
あなた自身の、
この約束を守りますよ、という意思表示の強さになります。

手付金を入れる場合には、
こういったことを考慮して、金額を決めてくださいね。

最後に、今回の説明は、
不動産業者が売主の場合の手付金の上限(20%)など、
特別な条件は割愛しての説明とさせていただきました。

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